「移調」の苦手意識がなくなっていく方法

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今回は「移調」の苦手意識がなくなる練習法を紹介させていただきます。

移調はできる方が良い

移調はできるかできないかで言えば、できる方が断然お得です。

無理のない範囲で

■よく出るキーには即座に移調できる方が良い
■譜面に書き写さずに移調ができるようになった方が良い

と思います。

それには以下のような理由があります。

移調ができることのメリット

移調が譜面を介さずできるようになることのメリットは

■気に入ったフレーズを、即座に使いたいキーに移調することができる
■結果的に度数でフレーズを覚えることになるので、フレーズを思い出しやすく忘れにくい
■「あの度数から始まるフレーズだと、繋がりがいいな・・」という思考を持つことができるので、フレーズとフレーズの繋がりがよくなる

とにかく頭の回転が早くなる、というメリットもあります。

移調を練習することで、アドリブ中に複数のことを同時進行で考えることができるようになるんです!

移調は簡単なフレーズで練習するのがオススメです

私も最初は移調がとても苦手だったのですが、ある方法を始めてから日々のルーティンに「お気に入りフレーズを移調する練習」を組み込むようになるくらい苦手意識がなくなりました。

その方法はずばり・・

ペンタトニックフレーズを好きなキーに移調していく練習法

です。

ペンタトニックフレーズは

■5音+ブルーノートの音しか使われていない
■フレーズのキーがハッキリしている
■度数を意識しやすい

という理由から、移調の練習にとても向いています。

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本日より、私が制作した ジャズアドリブフレーズ集Vol.2 よく出るキー順 ペンタトニックと3-6-2-5-1進行のフレージング の販売を開始しました。 C楽器用・Eb楽器用・Bb楽器用・低音楽器用の4種類をご用意しています。 ジャズアドリ...

移調のコツ:まずはリストアップ

ペンタトニックフレーズを移調していくコツを解説します。

 例:Fメジャーペンタトニックのフレーズを移調したいとき・・

Fメジャーペンタ

このフレーズに対して、移調するためのポイントを見出します。
ザックリとしたものでOKです。(細かくてももちろんOK)

以下のようなポイントをリストアップしていきます。(頭の中で)

このフレーズは、Fメジャーのキーから数えて
■1度(Root)からフレーズが始まる
■音が上昇していく(といっても使われているのはペンタトニックの5音だけ)
■途中に♭3rdのブルーノートの音が入る
■最後はRootの音で終わる
分析

こんな感じです。リストアップするポイントは自分流でOKです。

移調しようと試みているうちに、どこに注目すれば移調しやすいか分かってきます。

 

移調のコツ:リストアップしたものを移調先に当てはめて考える

先ほどリストアップしたポイントを追いながら、移調していきます。

先ほどのフレーズをCメジャーペンタトニックに移調してみましょう。
まず「1度(Root)からフレーズが始まる」ですよね。Cに移調
「ペンタトニックの5音が上昇していく」ということは、Cメジャーペンタトニックならば「ドレミソラ」と上昇していくわけです。
Cメジャーペンタ5音
「途中に♭3rdのブルーノートの音が入る」ということでしたが「途中に」という表現は曖昧ですね。こんなときは元のフレーズを確認します。
【元のフレーズを確認】
メジャー3rd
Fメジャーペンタトニックのフレーズ例では「メジャー3rdのラ」の前に「♭3rdのラ♭」が入っています。
それを踏まえて、移調先のCメジャーペンタでも「メジャー3rdのミ」の前に「♭3rdのミ♭」を。
Cに移調2
「最後はRootの音で終わる」Cメジャーペンタに移調しているので、Rootの音はCです。Cの音で終わる、ということになります。
Cに移調3

これで、移調できました。
どうしても難しければ譜面に書きながらでも良いですが、そらで思い描きながら楽器で演奏してみて答え合わせをすると、移調のスピードが早くなります。

移調するときの注意点

注意点は「雰囲気で移調しない」ということです。
だいたいこんな感じ?とやっているうちはあまり移調に慣れることができません。
■度数
■フレーズの音形
■シャープ・フラットはいくつ付く調性か

などを考えながら丁寧に行うことで、移調のスピードが早くなってきます。

調号を気にすることも、かなり重要

移調するときには、調号・調性を考慮することも重要です。
たとえば、以下の「Cメジャーペンタのフレーズを→Aメジャーペンタ」に移調したいとき。
Cメジャーペンタフレーズ
Cメジャー:シャープもフラットもつかないキー( )
Aメジャー:ファとドとソにシャープがつくキー(###)
というように、調号をおさえておく必要があります。
上記のフレーズはCメジャーから見て
■13thの音で始まる
■ルートの音と往復する
■メジャー3rdと♭3rdを往復する
■ルートの音から、5thでフィニッシュ
というポイントをリストアップすると、移調しやすそうです。
分析

調号を無視して移調すると、ミスしてしまう

せっかく移調のポイントをリストアップしても、調号を無視すると失敗してしまいます。

Aメジャーは#が3つ付くキーです。FとCとGには「デフォルトで」シャープが付いているイメージをしましょう。Aメジャー度数
調号を無視してリストアップした「13th」や「3rd」の音を設定してしまうと移調に失敗してしまいます。
【移調失敗】
移調失敗
↑これだと、FやCの音が「Aメジャー」のキーになっていない
【移調成功】
移調成功
↑シャープが3つのAメジャーのキーを考慮できている!成功!
こういった調号のミスを犯さないためには、「ト音記号の横に(ヘ音でも良いです)調号を思い浮かべておく」のがコツです。
調号あり
「Aメジャーなら#が3つ」というように。
「Bメジャーならシャープが5つ、E♭メジャーならフラットが3つ」という具合にフレーズを移調するときは必ず「キーに合う調号を思い浮かべる」と、失敗しにくいです。
【Bメジャー】
Bメジャー
【E♭メジャー】
Ebメジャー

メジャースケールを覚えることが、どのジャズ理論においても大切

結局のところ「どの音がメジャー3rdか、どの音が13thか」というのを知るためには
12キーのメジャースケールを把握している必要がある

ので、メジャースケールの練習は本当に大切だと感じます。

メジャースケールの知識があって初めて、

■ペンタトニックの5音
■すべてのコードトーン
■ツーファイブのキー
■曲のキー
■平行調の短調の調号

などを導けるようになります。

↓コードトーンを自分で導けるようになる方法の動画を公開しています

 

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