テーマはどのくらい変えて演奏しても大丈夫?
テーマの演奏について、どう考えたら良いんだろう?
テーマにおかずは必要?
と悩んでいる方は多いと思います。
今回はこのことについて、私の考えを書いてゆきます。
私が最初のレッスンで教わったこと
私がミュージシャンの先生方から教わってきたのは
でした。
ジャズを初めたばかりの頃は「テーマのワンフレーズとワンフレーズの間で、なにか装飾を付け加えて演奏した方が良いのだろう」と勝手に思っていて、適当にテーマ以外のフレーズを合間にくっつけて演奏していたのですが、
と、一言目に教えて頂きました。
という意味だったのだと理解しています。
曲によって「美しい」の意味はそれぞれですが、テーマ/メロディは美しくあるべきなので、当然のことではありますよね。
シンプルに、美しく。
1番難しいことじゃないか、とも思いますが、最も大切なことの1つだと肝に銘じています。
要点が分からない話し手になるな
ちょっと今回の話題と違いますが、あるミュージシャンの方にカデンツァの演奏法についてご相談に伺ったとき、
話が長かったり、要点が分からない話し方をする人は嫌われるじゃない。
カデンツァもそれと同じで、言いたいことを簡潔に、シンプルに伝えれば、一緒に演奏している人にも、聴いている人にも気持ちよく伝わるんだよ。
と教えていただきました。
テーマの演奏も、ひいてはアドリブも「そういうことなんだな」と、とても印象に残っているお話しです。
テーマの演奏法も先人から学ぶ
「歌もの」のテーマ
私は「歌もの」のテーマを黒本の譜割り通りに演奏するのは、ちょっと違うかなと考えています。
黒本に書いてあるメロディは、下絵のようなもので、あらゆるデータの平均をとった様なものだと思うからです。
細かなニュアンス、細かなシンコペーション、細かな歌い回し、ブルーノートを忍ばせるか否か
こういうことは先人たちの演奏を聴き比べ、自分の耳で沢山データをとり、最終的にどの歌い方を採用するのか、自分で決められるようになれたら良いと思うんです。
沢山データがとれてきて、やっと、
この人とこの人のハイブリッド的な歌い方にしたい。
サビはこのブルーノートの使い方、格好良いから頂こう。
など「その曲の肝を踏まえた上での自分の理想型」が徐々に出来てくるのではないか、と感じます。彫刻を掘る感じ、というかなんというか。
「リフもの」のテーマ
「リフもの」のテーマについても、
ということはよくあるので、リサーチは重要だと思います。
※黒本が間違いということでは一切なくて「どの人の演奏をモデルにしたテーマ譜なのか、自分で聴いて調べてみるまで分からないよ」という意味です。
テーマ、毎回苦労します
私は勘が良い方ではなく、とても不器用なタイプなので、テーマを演奏するときは本当に悩んでしまいます。
今回 Samba de Verão を演奏しよう、となったときは、作曲者の Marcos Valle さんの歌い回しを年代別で聴き比べて、
ここ詰めて歌っても良いんだ。
この1音だけオクターブ変えると、格好良いのかあ!
ダイアトニックコードだから、この音づかいもありか、なるほど。
と色々リサーチし、
という作業を行いました。
大変そうに感じるかもしれませんが、聴いていて「幸せ・・・」と思えるような演奏に沢山出会うと、その曲をもっと好きになれるので楽しいばかりです!むしろ練習せず、ずっと聴いていたい・・。
ボサノバのテーマ
ボサノバについて私は「郷土を理解できていないコンプレックス」を強く感じるので、テーマを演奏するときは本当に気を遣うのですが・・
今回は作曲者の Marcos Valle さんの演奏を聴き比べて、こんな感じで演奏しました↓
アドリブでは仕入れたばかりのフレーズも沢山演奏したので、楽しかったです!
テーマが完成するまでのルーティン
私はどの曲を演奏するときも、
(可能な限り、沢山のレジェンドたちを聴き比べる。)
(自分が演奏している以外の楽器も聴く。むしろそっちの方が多いくらい。)
(作曲者の演奏は、年代別に聴き比べてみる。)
↓
素敵な歌い回しを何パターンもストックする
↓
どれを採用するか、選ぶ(あくまでもシンプルに、曲を台無しにしない範囲で)
↓
演奏してみて、フルートのサウンドでやっても、OKか考える
(ボーカルの完コピをすると、たまに管楽器では表現が難しすぎて、聴きづらい演奏になってしまうことがあるため。)
という作業を行なうようにしています。
少しでもご参考になりましたら嬉しいです。
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