- 覚えたフレーズを様々なキーに移調する
- もしくは12キーに移調する
という練習、実を言うと私、最初のうちは全くやりませんでした。
最初に私が行なっていた練習
私が行なっていたのは、
各々のキーで、美味しいフレーズを集める
という作業でした。
Am7 D7 のツーファイブ・フレーズなら、このフレーズが美味しい
Fm7 B♭7 のツーファイブ・フレーズなら、このフレーズが美味しい
といった具合に、各々のキーで「心の底から気に入ったフレーズのみ」を集めていました。
それをジャズスタンダード曲によく出るキーのみ行なって、楽しく演奏していました。
これの何が良かったかというと・・
各々のキーで気に入ったフレーズをストックしておくと、
少ないフレーズのストックでも、
コード進行が移り変わるたびにフレーズも変わってゆくので、多彩なアドリブをとっているように見えます。
またそのフレーズかい、と思われることもありません。
移調した結果、音域に無理があるまま演奏する、ということも無いんです。
ちょっとずつ水に顔を付けていった
しばらくして、各々のキーのフレーズが板についてきたとき、
気に入ったフレーズを、音域が近いキーにのみ移調して、演奏できるようにしてゆきました。
(プールで、最初に水に顔をつけて、慣らしてゆく感じ)
(プールで、最初に水に顔をつけて、慣らしてゆく感じ)
好きなフレーズを好きなキーでだけ、実際の曲中で演奏しているうちに、
Am7 D7 ならこの音づかいなんだな
Fm7 B♭7 ならこの音づかいなんだな
というのが自然と身についてきて、移調も頭の中でラクに行えるようになっていました。
ついに完全形態、12キーへ!
そしてある日、各々のキーで気に入ったペンタトニック・フレーズを演奏していたとき、
ペンタトニック・フレーズに関しては、気に入ったフレーズを12キーでできたら怖いものなしじゃないか
と考え、12キーの練習も導入してみました。
すると、やはり各々のキーでじっくりフレーズを愛でていたので
3度の音から始まる Gメジャー・ペンタトニック・フレーズだから、Cメジャーに移調する場合は、こうだな
と、いつの間に12キーがラクに移調できるようになっていたのです。
1つのキーでフレーズをじっくり愛でる
↓
そのフレーズに詳しくなる
↓
特徴やサウンド、音づかいを掴んでいるので、移調しやすくなっている
ということだったんです。(ペンタ・フレーズは比較的簡単だからできた、というのもありますが、段階を踏んでツーファイブ・フレーズやその他のフレーズもできるようになってゆきました)
ラクしてるようで、実は誰よりもゾッコン
このとき私は、
心の底から演奏を楽しめるように練習を工夫していると、正統ルートを無理矢理に進んでゆくよりも、目的地に早く着くことがある
ということを知りました。
楽しんでいる結果、音楽的な感覚が身に付く。
ラクしてるようで、実は誰よりも音楽にゾッコン。
私が作った教則本では、
がむしゃらに勉強してきて、行き詰まってブレイクスルーがあって・・を繰り返しながら見つけてきた「楽しみながら目的地に辿り着くアドリブ練習ルート」をご紹介しています。
ジャズアドリブの仕方 教則本に、その方法・考え方・道筋をみっちりと詰めました。
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