バラードの演奏、どうやっていいか分からず途方に暮れますよね。
今回は「バラードの練習手順」を、ステップごとにご紹介します。
バラードの演奏ポイント
学生時代、先生方からはこのように教わっていました。
4分音符・8分音符・16分音符・3連符どれかのリズムにはハマッていないと、非常に退屈な演奏となってしまう。
→ミディアムテンポのときよりもタイムを厳密に守って演奏する必要がある。
とくに、3連符のリズムを感じることがかなり重要、と教わりました。
バラードの練習 ステップ1 シンプルなお手本を見つける
ソニースティットのように、テーマに32分音符をパラパラパラ〜〜〜と織り交ぜて演奏するのも素敵ですが、初めからそれを真似するのは無理があります。
もし真似をしてもデタラメになってしまうに違いないので、まずはシンプルな演奏から練習をスタートしましょう。
テーマ部分で、メロディ以外の飾り付けがほぼないような演奏を見つけると練習がはかどります。
バラードの練習 ステップ2 レジェンドの譜割りを記譜する
黒本などの、元のメロディがこのように記譜されているとして
【 Moonlight in Vermont 初めの6小節 市販の譜面バージョン 】
レジェンドのリズムバリエーションを記譜してみよう
バラードを、黒本通りの譜割りだけで演奏するレジェンドは居ないと思います。
1つのシンプルなメロディでも、さまざまなリズムバリエーションを用いて演奏していることが分かってきます。
【 Moonlight in Vermont 初めの6小節 レジェンドが演奏する3つの例 】
3連符とイーブン(ハネない)が同居するとオシャレで、バラードの醍醐味を感じられます。
主なリズムについて
「レジェンドの演奏を聴いて譜割りを考える」というのはかなり難しい作業です。
4分音符・8分音符・16分音符・3連符のうちどれが使われている?ということに注目すると、記譜しやすいです。
バラードで使われる3連符 色々な譜割りがある
3連符とひとくちにいっても、色々な譜割りが考えられます。
以下のリズムを口で歌ってみてください。
バラードを聴いていると、他にもたくさんの3連リズムが使われています。
バラードの練習 ステップ3 真似して、消化する
(自分だったら続きはこうするなあ、と考えながら。)
このとき、拍子がなくなるくらい適当に演奏したり、カチッカチッという4分音符のタイムを無視するのはNGです。
メトロノームや足で4分音符を鳴らしながら行なうのがオススメです。
バラードの練習 ステップ4 アドリブに応用
テーマ部分を色々な譜割りのパターンで演奏できるようになってきたら、その手法をアドリブにも応用します。
バラードテンポで演奏すると、ツーファイブフレーズが半分の長さになる
バラードのテンポ(♩=60前後)だと、8分音符の長さがミディアムテンポ(♩=120前後)より長くなりますよね。
つまり、ツーファイブフレーズを元の譜割りのまま演奏すると、とんでもなく遅い間延びしたフレーズになってしまいます。
バラード曲で手持ちのフレーズを使うと、
ということを念頭に置いて、そこからリズムバリエーションをつけると、練習しやすいです。
手持ちのツーファイブフレーズ(8分音符)を、バラードナイズする
今回紹介した練習法で、バラードを練習してみました
今回題材にした「Moonlight in Vermont(Ebメジャーのバラード曲)」を、ご紹介した練習手順で練習&演奏してみました。→Youtubeが新規タブで開きます。
テーマ部分の譜割りは、3人のレジェンドたちをお手本にしました。
シンプルなのにバリエーション豊富で、非常に参考になりました。
■Ella Fitzgerald
■Ray Charles
お三方とも3連符とイーブン(ハネない)を混ぜたりなど、いろいろな譜割りをメロディ部分に用いています。
バラード練習 まとめ
■アドリブの前に、まずはテーマを色々な譜割り(フィール)で演奏できることが大切。
→しっかり身につければ、アドリブフレーズに応用しやすくなる。焦り禁物です!
■4分音符・8分音符・16分音符・3連符のリズムを組み合わせる方法を、レジェンドから学ぼう。
■とくに馴染みのない3連符のフィールを体得できるよう、テーマ部分を用いて練習しよう。
バラードのアドリブ練習法を動画で見る
▼解説動画:バラードのアドリブ練習法 〜準備編〜
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