バラードのアドリブ練習法

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バラードの演奏、どうやっていいか分からず途方に暮れますよね。
今回は「バラードの練習手順」を、ステップごとにご紹介します。

バラードの演奏ポイント

学生時代、先生方からはこのように教わっていました。

■音が動く時は、4分音符・8分音符・16分音符・3連符など、さまざまなリズムを組み合わせることが大切。推進力やバラードの演奏ならでの面白さを表現できる。
■ゆっくりテンポだからと言って、適当にリズムを揺らがすのはNG。
4分音符・8分音符・16分音符・3連符どれかのリズムにはハマッていないと、非常に退屈な演奏となってしまう。
→ミディアムテンポのときよりもタイムを厳密に守って演奏する必要がある。

とくに、3連符のリズムを感じることがかなり重要、と教わりました。

バラードの練習 ステップ1 シンプルなお手本を見つける

シンプルに演奏しているレジェンドを見つける。

ソニースティットのように、テーマに32分音符をパラパラパラ〜〜〜と織り交ぜて演奏するのも素敵ですが、初めからそれを真似するのは無理があります。

もし真似をしてもデタラメになってしまうに違いないので、まずはシンプルな演奏から練習をスタートしましょう。

最もシンプルに、かつ自分の好みの雰囲気で演奏していると、なお良いです。

テーマ部分で、メロディ以外の飾り付けがほぼないような演奏を見つけると練習がはかどります。

バラードの練習 ステップ2 レジェンドの譜割りを記譜する

黒本などの、元のメロディがこのように記譜されているとして

【 Moonlight in Vermont 初めの6小節 市販の譜面バージョン 】moonlight-1

レジェンドのリズムバリエーションを記譜してみよう

バラードを、黒本通りの譜割りだけで演奏するレジェンドは居ないと思います。

レジェンドの演奏の、前テーマと後テーマをどちらも聴き、どんな譜割りで演奏しているか記譜します。

1つのシンプルなメロディでも、さまざまなリズムバリエーションを用いて演奏していることが分かってきます。

【 Moonlight in Vermont 初めの6小節 レジェンドが演奏する3つの例 】
ballad-5

 

3連符イーブン(ハネない)同居するとオシャレで、バラードの醍醐味を感じられます。

主なリズムについて

「レジェンドの演奏を聴いて譜割りを考える」というのはかなり難しい作業です。

4分音符・8分音符・16分音符・3連符のうちどれが使われている?ということに注目すると、記譜しやすいです。
ballad-rhythm1

バラードで使われる3連符 色々な譜割りがある

3連符とひとくちにいっても、色々な譜割りが考えられます。

以下のリズムを口で歌ってみてください。

バラードを聴いていると、他にもたくさんの3連リズムが使われています。
ballad-rhythm2

バラードの練習 ステップ3 真似して、消化する

■耳コピしたテーマ部分の譜割りを、真似して演奏します。
■慣れてきたら、数パターンのリズムバリエーションを自分なりにミックスしていきます。
(自分だったら続きはこうするなあ、と考えながら。)

このとき、拍子がなくなるくらい適当に演奏したり、カチッカチッという4分音符のタイムを無視するのはNGです。

メトロノームや足で4分音符を鳴らしながら行なうのがオススメです。

バラードの練習 ステップ4 アドリブに応用

テーマ部分を色々な譜割りのパターンで演奏できるようになってきたら、その手法をアドリブにも応用します。

8分音符メインで構成されている手持ちのツーファイブフレーズやトニックフレーズを、4分音符・8分音符・16分音符・3連符を用いて、バラードらしい譜割りに変えてみましょう。

バラードテンポで演奏すると、ツーファイブフレーズが半分の長さになる

バラードのテンポ(♩=60前後)だと、8分音符の長さがミディアムテンポ(♩=120前後)より長くなりますよね。

つまり、ツーファイブフレーズを元の譜割りのまま演奏すると、とんでもなく遅い間延びしたフレーズになってしまいます。

よって、それを避けるために「半分の音価で手持ちのフレーズを演奏する」ことになります。
ballad-half

バラード曲で手持ちのフレーズを使うと、

2小節の長さのツーファイブフレーズが、半分の長さになってしまう

ということを念頭に置いて、そこからリズムバリエーションをつけると、練習しやすいです。

手持ちのツーファイブフレーズ(8分音符)を、バラードナイズする

ballad-twofive

今回紹介した練習法で、バラードを練習してみました

今回題材にした「Moonlight in Vermont(Ebメジャーのバラード曲)」を、ご紹介した練習手順で練習&演奏してみました。→Youtubeが新規タブで開きます。

moonlight_1

テーマ部分の譜割りは、3人のレジェンドたちをお手本にしました。
シンプルなのにバリエーション豊富で、非常に参考になりました。

■Sonny Stitt
■Ella Fitzgerald
■Ray Charles

お三方とも3連符イーブン(ハネない)を混ぜたりなど、いろいろな譜割りをメロディ部分に用いています。

バラード練習 まとめ

■アドリブの前に、まずはテーマを色々な譜割り(フィール)で演奏できることが大切。
→しっかり身につければ、アドリブフレーズに応用しやすくなる。焦り禁物です!

■4分音符・8分音符・16分音符・3連符のリズムを組み合わせる方法を、レジェンドから学ぼう。

■とくに馴染みのない3連符のフィールを体得できるよう、テーマ部分を用いて練習しよう。

バラードのアドリブ練習法を動画で見る

▼解説動画:バラードのアドリブ練習法 〜準備編〜

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