カデンツァの分析

この記事は約4分で読めます。

Hubert Laws が Pensativa で演奏していたカデンツァの 【演奏の内容】を分析してみました。

分析した後「どのように自分の演奏に活かすのか?」についても触れています。

カデンツァの分析をしてみました

曲のキー:Gメジャー
A♭7でフェルマータがかかり、その後バッキングなしでカデンツァを演奏しているシーン。

cadenza1

cadenza2

上記のカデンツァの構成

このカデンツァの大きな構成は

E♭m7 A♭7 のサウンド

Em7 A7 のツーファイブのサウンド

E♭m7 A♭7 のサウンド

D7 のドミナント7thフレーズ で “D” の音に着地(ここでG△7ジャーン)
( D7ドミナント7thフレーズではなく、E♭m7 A♭7のサウンドともいえる)

です。(あくまで私の考察です)

もう少しだけ詳しく書くならば・・

単純に考えれば G△7 に解決させたいのであれば、手前には Am7 D7 のツーファイブ進行を置きますが、このカデンツァは・・

Am7 D7 の 裏コードである【 E♭m7 A♭7 のツーファイブのサウンド】を演奏

さらに E♭m7 A♭7 の半音上の【 Em7 A7 のツーファイブのサウンド】を短期間演奏

そしてまた 【 E♭m7 A♭7 のツーファイブのサウンド】に帰ってきて【 G△7 】に着地する

という構成になっているんです。とても素敵なラインだと思いました。

今回の分析は、他の曲にも活かせる

この演奏の場合は A♭7 でフェルマータがかかっているので、

【 E♭m7 A♭7 のサウンド 】
つまり・・
① E♭ドリアンスケール = A♭ミクソリディアンスケール
② E♭メロディックマイナースケール = A♭リディアンフラット7thスケール
③ A♭7 ビバップスケール

がカデンツァに用いられているのは「当然」とも言えますが

最終的にG△7に解決したい場合

解決する手前に Am7 | D7 を置く代わりに、
裏コードの E♭m7 | A♭7 を想定して演奏する

という方法を覚えておくと、メジャーセブンスコードに解決するカデンツァを演奏するとき、美しい手数の1つとなります。

A♭7 | G△7 – 半音進行

Pensativaでは、曲のコード進行に何度も

A♭7 | G△7

という半音進行が出てきます。

D7 | G△7

というドミナント進行(4度進行)を変化させたものです。

D7の裏コードのA♭7を用いて、G△7 に解決する半音進行が形成されているんです。

半音進行は、さまざまなジャズスタンダード曲に出てきます。

♪A Night in Tunisia
♪Girl From Ipanema
♪One Note Samba

など、挙げればキリがありません。

カデンツァの分析が100%合っている必要は無い

アドリブの分析も、カデンツァの分析も、100%正しいかどうかは問題ではない。

ということをずっと教わってきました。

むしろ、

分析して「このように想定して演奏したのではないだろうか?」と仮説が立てられたら、自分の持っているフレージングを駆使して、試してみる・再現してみることが大切。

と師匠から教わりました。
そうでないと、理論だけの頭でっかちになってしまうので、どんどん試してみなさい、と。

カデンツァについても「本当にそのコード進行を想定して演奏したのか?」120パーセント
真実を知っているのは本人だけなので、

分析して、仮説を立てたら、自分の持っているフレーズを使って試してみる

のが良いと思います。

このカデンツァをコピーしてみました

Hubert Laws の演奏する Pensativa を、カデンツァも含めてコピーしました。
下記動画は、練習風景です。

1曲まるまるコピーした後は、取り入れたいフレーズやモチーフの分析を行い、自分の脳にストックするようにしています。

普段は1曲まるまるコピーするよりも、部分的にコピーすることの方が多いです。

こちらをクリックすると演奏動画が新規タブで開きます。
Pensativa-Thumbnail

コメント

タイトルとURLをコピーしました