なぜレッスンを受けるのか、なぜ理論を学ぶのか

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なぜ理論を学ぶべきなのか?

普遍的に話し合われているテーマですが、私も書いてみました。

知らないことは認識できない

人間は、自分が知らないことを認識できない。
目の前にあっても、素通りしてしまう。

というのを「認知科学」の本で最近読んで、これまでを振り返り「たしかに〜」と納得しました。
当たり前のことに納得してしまうのはなんだか恥ずかしいのですが、本当にそうだなと思いませんか。

「意識するようになってはじめて認識できる」のが人間。
逆に、意識していないところはブラインドスポット(=盲点)となってしまう。

これをジャズの練習に当てはめて考えてみると・・

「知らないことは認識できない」

理論を知らないと、音源を聴いても「なにを取り入れて良いのやら」ピンとこない
「知らないことは認識できない」

ジャズの音源を聴いていない=ジャズを知らない状態では、
理論だけを勉強してもいまいちピンとこない

例:

結局ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウスケールって、どんなサウンドになるんだろう?フレーズにするとどんな感じ?

という状態になってしまう

※このように理論上では分かっているという場合、その次にやるべきは「レジェンドの演奏コピーを沢山する&そのソロを分析する」ことです。

ソニーロリンズのこのフレーズ、ハーモニックマイナーパーフェクト5thからできてる〜!こうやって使うんだ〜!

というように、理論とサウンドが繋がるからです。

 

「知らないことは認識できない」

そもそも「そんなものがある」ということすら知らなければ、聴いても理解できない

例:

「ドミナント7th」という概念を知らなければ・・
■演奏を聴いても耳が素通りしてしまう
■格好良いなとは思っても、それがなんなのか分からず、自分では使いこなせない
■「ドミナント7th」という単語を使って急になにかを説明されても、耳が素通りしてしまう

 

「知らないことは認識できない」

「自分に知らないことがある」ということ自体を知らなければ、学ぶことは難しい

こうした理由から「理論を学ぶこと・レッスンを受けること・教則本を読むこと」で「気付ける自分」になった方が良い、と私は思います。

フレーズ集はフレーズに気付くことができるようになる

フレーズ集というのは「掲載しているフレーズをそのままご自身の演奏に使ってほしい」という意図よりも

どんなものがツーファイブフレーズなのかを知って欲しい
どんなものがドミナント7thフレーズなのかを知って欲しい

という意図の方が大きいと思います。

よく「フレーズ集なんて絶対使っちゃだめだ」という人もいるけれど、初心者の方の多くは

「どんなフレーズがツーファイブフレーズなのか?」を知らず、演奏を聴いてもフレーズの存在に気付くことができず、自分で採取することも難しい

と思います。最初の梯子を掛けるような意味で「フレーズ集を使うのはアリ」だと私は考えます。

もちろんインプットばかりでは気付けない

もちろん理論やフレーズを勉強するだけして「実践しない」のでは、後に成長点となる「問題点」に気付くことができません。これも「知らないことは認識できない」の1つだと思います。

アドリブを自分自身で演奏することで初めて、

自分には何が必要なのか?何を勉強すれば良いのか?

を認識できるので、自分で演奏してみる=アウトプットすることは大切だと考えます。

アウトプットする

うまくいかない部分に気付く

問題意識を持つ

解決法を自動的に探すようになる

向上してゆく

という流れです。

どこが覚えられないのか、自分に聞く

どこが覚えられないのかが分かれば、一瞬で覚えられる。意識していないから覚えられない。

というのが口癖の先生がいらっしゃいました。

たしかに、コード進行が覚えられないのも、フレーズが覚えられないのも

今のはどこを忘れちゃった?どうして覚えにくかった?

と自分に聞いてやると、案外覚えられるようになってくるものです。

理論をもとに推測することもできる

たとえば耳コピをしていて聴き取れない音があったとしても、理論を知っていれば、

ここではこのスケールを使っている可能性が高いから、この音はラの音かも?

など推測することができます。

予想しなければ当てることはできないので、聴き取れないときも常に予想することが大切です。

予想して外したら「その音は違う」というデータが取れるので、正解にぶち当たるまで予想し続ければ良いのです。(私が先生から教わって、ずっと大切にしている方法です。)

知っていれば、好きなサウンドを選ぶこともできる

理論を学んだり、レッスンを受けたりすることで「盲点」をなくしてゆき、
「そこら中に転がっている知識に気づける自分」になれば、

そこからリアルタイムで「いま演奏したい音を選ぶ」こともできるようになります。

私は、

アドリブというのはすなわち・・
「与えられたコード進行」に対して「いくつもの道順」を自分に提案し、そこからリアルタイムで演奏したいサウンドを選ぶこと

だと考えています。(アドリブは決して、適当に演奏すること、ではありません。)

コード進行1つに対して複数の選択肢(アプローチ)があるので、

①どんな選択肢があるのか、ジャズ理論を土台に勉強する
(全ての選択肢には、ちゃんと理論の裏付けがあるため)
(理論がわかっていれば、さまざまな曲のコード進行でそれを実践できるため)

②それと同時にレジェンドたちのアドリブ音源を聴いて、彼らがそれらの選択肢をどのように演奏しているか研究する
(優先順位的には、②の方が大事)

これら2つの要素がどちらも重要で、どちらも欠かせないものと考えます。

それを踏まえた上で、

自分が演奏したくないものはしなければ良いし、好きなものを深堀りする方が良い。
でも、知らないまま過ごす、というのは、ちょっと違うんだろう、と「私」に対して改めて釘を刺しているのです。

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