どのような解釈でアドリブを演奏して良いか分からない・・
と感じるような難しい曲は「譜面で指定されているテンション」に注目すると、とってもアドリブしやすくなります。
指定されているテンションに注目する
コードを演奏することがない管楽器プレイヤーの方は「テンション」というワードを聞くと、難しそうでテンションが下がってしまう・・なんてこともあるかもしれません。私がそうでした。
しかし、落ち着いてメロディと照らし合わせてみると、とってもアドリブしやすくなるんです。
例:Desafinado に指定されているテンション
たとえば【Desafinado】のAセクションには、次のようなテンションが指定されています。
Desafinado:テンションとメロディが一致している
指定されているテンションと、メロディとを照らし合わせてみると、かなり一致しているということが分かります。
著作権の都合上、メロディを全て記載することができないので、テンションと一致している部分だけご覧ください。
メロディとの関連性が分かると、少しフレンドリーな気持ちになりませんか?
▼ Desafinadoのテーマとアドリブを演奏しています
テンションとフレーズの関係性
とは言っても「指定されたテンションを、どう捉えればアドリブしやすくなるの?」と悩んでしまいますよね。
そんなときにオススメなのが、
というような
を覚えておくことです。
テンションが指定されたコードを見た時に、そのサウンドを再現しやすくなります。
↓
指定されたテンションを見たら、ぴったりなフレーズの種類が分かる
↓
難しいコード進行でアドリブするときも、メロディに沿ったサウンドを再現できちゃう!
♯11th, ♭9th, ♯9th 各テンションとフレーズの関係性
私は、それぞれのテンションとフレーズの関係性を次のように覚えています。
理屈っぽく感じるかもしれませんが・・
この関係性を覚えておくと「テンションコードのサウンドを忠実に再現できる」ので、より音楽的な表現ができるようになります♪
♯11th は、このフレーズに含まれている!
■リディアンフラットセブンススケールからできているフレーズ
例)F7 に対し、Fリディアン♭7thスケール=Cメロディックマイナースケールからできているフレーズを演奏すると F7♯11 のサウンドになる
復習)Fリディアンフラットセブンススケール(Lyd♭7thスケールとも表記できる)
=Cメロディックマイナースケールと同じ音づかい
■全音上のトライアド
例)F7 に対し、Gのトライアド(三和音)を演奏すると F7♯11 のサウンドになる
▼なぜ全音上のトライアドがサウンドするのか?が分かる動画
♭9th は、このフレーズに含まれている!
■オルタード系ツーファイブフレーズ
例)B♭7 に対し、Fm7 B♭7のオルタード系ツーファイブフレーズを演奏するとB♭7♭9 のサウンドになる
■ドミナント7thフレーズ
例)G7 に対し、G7ドミナント7thフレーズを演奏するとG7♭9 のサウンドになる
■コンディミスケールパターン
例)C7 に対し、C7コンディミスケールパターンを演奏するとC7♭9 のサウンドになる
復習)C7コンディミスケール
♯9th は、このフレーズに含まれている!
■ドミナント7thフレーズ
例)D7 に対し、D7ドミナント7thフレーズを演奏すると D7♯9 のサウンドになる
■オルタード系ツーファイブフレーズ
例)D7 に対し、Am7 D7のオルタード系ツーファイブフレーズを演奏すると D7♯9 のサウンドになる
■コンディミスケールパターン
例)D7 に対し、D7コンディミスケールパターンを演奏すると D7♯9 のサウンドになる
補足)D7コンディミスケール
耳と相談してください
ただし、上記全てがうまくサウンドするかというと、コード進行・前後の関係によって/フレーズによって/自分の好みによって、サウンドが微妙になる場合もあると思います。そこは耳と相談です!
それから、フレーズによっては挙げたテンションが含まれていないこともあります。何事も「絶対」はありません。
今回は、私がアドリブするときに「演奏しやすい」と思っているものを載せました。私が挙げた選択肢以外にも、テンションに対してまだまだフレーズの選択肢があります。
テンションとフレーズの関連性を意識してアドリブすると・・
今回の考え方を用いて、Desafinado をアドリブしてみました。
かなり忠実に、指定されているテンションを意識して演奏しました。
この曲は、冒頭でお話ししたように「メロディ」と「指定されているテンション」がかなり一致しているので、テンションを守って演奏するとサウンドのイメージを掴みやすかったです。
指定されているテンションがメロディに含まれていないときは
指定されているテンションがメロディに含まれていない場合も多いですよね。
そんなときも、ピアノなどで和音を弾いてみると
ああ、たしかにこの曲のBセクションはこんなサウンドがする!♭9thの感じ、分かる〜!
と感じたり
たしかにここは、♭9thの音が含まれるドミナント7thフレーズを演奏すると、サウンドが良いかんじ!
とアドリブを楽しむことができると思います。
テンションとアドリブについての動画
♯11th, ♭9th・・どうやって数えれば、音が分かるの?
テンションの知識って、アドリブにどう活かすの?
という疑問にお答えしながら、テンションとアドリブフレーズの関係性について詳しく解説しています。
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