私がフレーズを覚えるまでのプロセスを考察しました

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いま私は新しい曲をいくつか練習しているので、その自分の状態を観察して、

新しいフレーズを覚えてアドリブに組み込めるようになるまで、のプロセス

を考察してみました。

注意力・計画力・バックアップを用意する危機管理能力について解説しています。

ステップ1 コピー譜を演奏して酔いしれる楽しい時間

耳コピして(このステップは「コピー譜を使う」のも全然ありだと思います)それをまず自分でコピー演奏してみます。1番楽しい時期ですね。

「おお!わたしフィルウッズみたい!」と酔いしれる時間です。

アーティキュレーションを真似たり、譜割りそのものに慣れようとしたり。

今まで知らなかったフレーズを演奏しているわけなので、この時点では譜面にかじりついているような感じです。

でも徐々に運指と音感と、脳内のドレミ〜という歌心で、フレーズを自分に浸透させていきます。

ステップ2 好きな人のどこに惚れているかを考える

今一度ソロをコピー演奏しながら、自分がグッとくるポイントを探します。

アドリブに使いたいフレーズがあったら「譜面に赤ペンなんかで印をつける」と、脳に直接信号がいきやすい気がします。

フレーズを分析して、「このフレーズはツーファイブフレーズだから、いま練習している曲のツーファイブ進行に使おう」など、作戦を立てます。

ステップ3 自分のアドリブに活かせず最高にイライラする期間

使いたいフレーズが決まって「どんなところに使えるフレーズか」を分析し終わったら、実際に曲のアドリブに組み込んでみます。

無理やりにでも、ここに使う!と決めたフレーズをソロに放り込んでみるんです。
といっても、まだフレーズは定着していないはず。依然、譜面を見ながら行なう練習になると思います。

このときが正直いちばんフラストレーションがたまり、うまくいかない時期だと思います。

フレーズがまだ頭の中で鳴りきっていないし、フレーズのサイズ感も理解できていないので、実際のアドリブに組み込もうとしてもチグハグになっちゃったりします。

このステップの期間は、フレーズも全然覚えられないし、ソロとして仕上がらないことが多いです。とにかくダメダメな時期です。

ステップ4 寝かせる期間

前のステップで頭を使いすぎて、おそらく「もうこの練習いやかも・・」となってくる頃です。

思考回路がショート寸前になってきたら、思い切ってその練習を止めます。

楽しい練習だけをやってもいいですし、基礎練をしてもいいですし、楽器自体休んでもいいので、これらのフレーズのことをあまり真剣に考えない期間を設けます。

このステップがじつはかなり大切です。

休んでいても結局、あれほど脳を使って覚えようとしたフレーズなので、ぽっとした拍子に脳内再生されたり、手癖みたいになって楽器を組み立てた瞬間に演奏してみちゃったりするボーナス期間です。

ステップ5 フレーズがうろ覚えではあるけれど使えるようになる

休息期間を設けたら、再トライです!

休息期間後は絶対に譜面台を立てず、初めから譜面なしの状態で挑みます。

思い出せるだけ思い出して、アカペラでフレーズを組み立ててみます。

「あれ、あのDmのマイナートニックフレーズ、たしかラの音から始まるんだけど、思い出せない・・・」というときだけ、譜面をチラ見します。

ここで大切なのは「あのフレーズなんだっけ?」と思ったら、譜面を見る。

ということです。

決して当てがないのに、譜面を勧進帳のように広げてはいけません。
そうすると、おそらくステップ3の段階に逆戻りしてしまうからです。

「あのフレーズなんだっけ?」すら浮かばないときは、たぶん歌い込みが足りないので、ステップ1まで戻る必要があると思います。

歌えないフレーズはアドリブに出てこないからです。

ステップ6 通行止めになった場合の道順を用意しておく

こうしてフレーズを徐々に思い出しつつ「同じコード進行に対して、何パターンかの道順を」考えます。

用意した道順が1パターンだけという場合、それがうまく演奏できなかったとき、頭が真っ白になってしまうので、数パターン用意して「あっちにもこっちにも行ける状態」を作りだします。

この練習がひと段落したら、そのパターン同士をミックスして自由に演奏できるような状態まで持っていけたら、かなりGOODです!

ステップ7 どこがうまくいっていないかを観察して、改善する

「この曲は2コーラスアドリブしてみよう!」とソロ尺を決めて、本番さながらにアドリブしてみます。

たぶんこの時点では、何度演っても「新しく覚えたフレーズが出てこない」「フレーズがうまく繋がらない小節がある」などつっかえることが多いはずです。

そうしたら、ここでコピー譜を見返すのがコツです。

「自分が毎回つっかえる小節で、レジェンドはなんの音を使っているだろう?」と考え、特に

「自分がこのコードで安全だと思えていない音はどれだろう?」ということに注意するのがポイントです。「このコードにこの音、使っていいんだ!」という気付きが助けてくれます。

「え、Am7b5にはB♭の音が使えるのか!意外だな〜。じゃあ次つっかえたときはその音を通過してからあのフレーズに繋げてみよう!そうしたらうまくいくはず!」

というように、フレーズが繋がりやすくなるコツが見えてくるはずです。

気づいていないことに気付こうとする注意力が大切になります。

ステップ8 集大成 この曲はクリア!

■どうしても使いたい美味しいフレーズをアドリブに組み込めた!
■ごまかして演奏している小節がなくなった

この2点をクリアしているころには、かなりたくさんのフレーズを覚えられていると思います。

次の曲に進めば、今回の内容は忘れてしまうと思います。
そんなときは、

今回覚えたフレーズを、次の曲にも使いまわそう!という貧乏根性

があると、曲を追うごとにどんどんフレーズの数が増えてくると思います。

 

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