「曲中に、ツーファイブ・フレーズを当てはめて演奏する練習をやると、どうしても取って付けたような不自然なソロになってしまう。」
というお悩みをジャズアドリブウェブセミナーの方にいただきました。
私自身とても経験があることで、「こうすればよかったのか〜!」という大きなブレイクスルーがあった事柄でしたので、こちらにも少し書かせてください。
「フレーズが自然に繋がらない問題」を私が最初に打破できたのは、Speak Low をコピーしまくって「え、みんなこうやってたんかい!」と気付いたときなんです。
練習の目的を明確に
という練習。この練習の目的は
なので、この時点でのソロの仕上がりは全く芸術的とは言い難いものです。
「なんだか不自然・・取って付けたような感じ・・」となってしまうのも無理はありません。
例えば
Autumn Leaves で「2小節の長さのツーファイブ・フレーズ」のみを用いてアドリブをとると、どうしても「取って付けたような感じ」になってしまうと思います。
この時点では、そういうもの!と割り切った方が良いと思います。
だって、この練習の目的は「コードとフレーズを一致させること/ジャズ言語に親しむこと」だからです。
この曲に限らず/ツーファイブ・フレーズに限らず、どんなフレーズの当てはめ練習にも、同じことが言えます。
その打開策は?
このお悩みの打開策は、その方のレベルによって、二手に分かれます。
フレーズをまだ全然覚えてない!という方へのご提案
「まだあまりフレーズを覚えてないよ〜」という方は、
土台をしっかりさせるためにも、これを最優先とした方がいいのかなと思います。
土台がグラグラだと、後々先に進めません。
たとえば・・
このような基礎的なフレーズの使い方を、実際の曲中でどんどん当てはめて、体感しながら学ぶことをオススメします。
効率的かつ、楽しく、効果があった練習法
↓
1つフレーズを覚えたら、複数の曲に使い回す
(フレーズは、別の曲に使いまわしてこそ、初めてコード名と一致する)
↓
■次の曲に進むと「足りないフレーズ」に気付くので、そこで初めてフレーズを補う・追加する
■新たな曲で、解釈に戸惑うコード進行に出会ったら、その度に「いま必要な」コード進行解釈を学ぶ
この時点では不自然でも仕方ない
「フレーズ当てはめ練習」の時点では、
不自然な演奏になってしまうことは仕方ない!と割り切ってください。
フレーズを持っていないのに「不自然だからどうにかしなきゃ〜」と足踏みしていては、いつまでもアドリブに必要なフレーズが1セット揃いません。
また、次の曲にいつまで経っても進めず、練習が停滞してしまいます。
いまは、コードとフレーズを一致させるのが目的!と割り切って、フレーズ当てはめ練習を楽しんでください。
こだわりすぎて足踏みすることは、私の経験からはオススメできません。
1つのキーだけでも良いので、基本フレーズが1セット、使いこなせるようになれば、次の段階に進んで良いと思います。むしろ進んだ方が良いです!!!
フレーズ少しずつ覚えてきた!という方へのご提案
(完璧である必要はなし!)
という方は、不自然なソロを打開する「次の段階」に入っています!
ここから大切なのが、
ということです。
どういうことかというと、たとえば・・
ここに固執すると、結構フレーズの連結が難しく感じてしまうと思います。
つまり、フレーズを用法通りに演奏している間は、アドリブは少し窮屈なんです。
手持ちのフレーズを自由に「切り取る・組み合わせる・演奏し始めるタイミングを変える」という実験を行う必要があります。
もし Cm7 | F7 の2小節間があったら、その2小節間を「Cm7 F7 のサウンド」ということだけを守って演奏します。その間、自由に手持ちのフレーズを組み合わせて演奏するんです。
これ難しそうですが、慣れると無意識で出来るようになってきます!
(でも基本のフレーズが身に付いていないと不可能なんです)
こんなふうに、
フレーズがある程度、意識せずともポロポロ指からこぼれ落ちるくらいになってきたら、作為的ではない、自然なアドリブはもう目の前です!
フレーズの繋ぎ方が自然になるオススメの練習法・演奏法
でもいきなり2小節間の「狭いツーファイブ進行内」でこれをやろうとすると「作為的な、頭でっかちソロ」になってしまうので、
まずは Speak Low のコード進行で「優雅に!広いスペースを使って!感覚も大切に!」試していただけると分かりやすいかなと思います。
詳しい演奏法は ↓こちらの動画をご参照ください。
この解説動画内では Speak Low を題材に演奏・解説しているのですが・・
解説動画の切り口が違うのでわかりにくいかもしれませんが、「これが言いたかったんだ!」というのが明確になったので、その切り口で、また解説動画を作り直したいと思います。
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