フレーズ当てはめると不自然になる・・を打破できた方法

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「曲中に、ツーファイブ・フレーズを当てはめて演奏する練習をやると、どうしても取って付けたような不自然なソロになってしまう。」

というお悩みをジャズアドリブウェブセミナーの方にいただきました。

私自身とても経験があることで、「こうすればよかったのか〜!」という大きなブレイクスルーがあった事柄でしたので、こちらにも少し書かせてください。

「フレーズが自然に繋がらない問題」を私が最初に打破できたのは、Speak Low をコピーしまくって「え、みんなこうやってたんかい!」と気付いたときなんです。

練習の目的を明確に

ツーファイブ進行が出てくる曲で、ツーファイブ・フレーズを当てはめて演奏してみましょう!

という練習。この練習の目的は

コードとフレーズを一致させること/ツーファイブフレーズに親しむこと

なので、この時点でのソロの仕上がりは全く芸術的とは言い難いものです。

「なんだか不自然・・取って付けたような感じ・・」となってしまうのも無理はありません。

例えば

Autumn Leaves で「2小節の長さのツーファイブ・フレーズ」のみを用いてアドリブをとると、どうしても「取って付けたような感じ」になってしまうと思います。

Autumn Leavesでツーファイブ・フレーズ特訓 〜C楽器用〜 C-033
今回は Autumn Leaves でツーファイブ・フレーズの特訓をする方法をご紹介します。Autumn LeavesはCm7 | F7 | B♭△7 のメジャー・ツーファイブ進行とAm7♭5 | D7 | Gm のマイナー・ツーファイブ進...
このコード進行だと、どうしてもそれは仕方がないです。
この時点では、そういうもの!と割り切った方が良いと思います。

だって、この練習の目的は「コードとフレーズを一致させること/ジャズ言語に親しむこと」だからです。

この曲に限らず/ツーファイブ・フレーズに限らず、どんなフレーズの当てはめ練習にも、同じことが言えます。

その打開策は?

このお悩みの打開策は、その方のレベルによって、二手に分かれます。

フレーズをまだ全然覚えてない!という方へのご提案

「まだあまりフレーズを覚えてないよ〜」という方は、

基礎的なフレーズの使い方を、実際の曲中で学ぶ

土台をしっかりさせるためにも、これを最優先とした方がいいのかなと思います。
土台がグラグラだと、後々先に進めません。

たとえば・・

■ツーファイブ進行には、ツーファイブ・フレーズ
■メジャーセブンス・フレーズには、メジャーセブンス・フレーズ
■マイナー・コードが続くところには、マイナー・フレーズ

このような基礎的なフレーズの使い方を、実際の曲中でどんどん当てはめて、体感しながら学ぶことをオススメします。

効率的かつ、楽しく、効果があった練習法

「コードとフレーズを一致させる」ために、実際の曲中でフレーズ当てはめ練習を行う

1つフレーズを覚えたら、複数の曲に使い回す
(フレーズは、別の曲に使いまわしてこそ、初めてコード名と一致する)

■次の曲に進むと「足りないフレーズ」に気付くので、そこで初めてフレーズを補う・追加する
■新たな曲で、解釈に戸惑うコード進行に出会ったら、その度に「いま必要な」コード進行解釈を学ぶ
他の曲に手持ちのフレーズを使い回せると、ニヤけてしまうくらい楽しいですよ!
「私このフレーズ持ってるから、この曲も演奏できんじゃん!やったー!」って感じです。
是非お試しください!

この時点では不自然でも仕方ない

「フレーズ当てはめ練習」の時点では、
不自然な演奏になってしまうことは仕方ない!と割り切ってください。

なんか不自然だな〜、どうにかしなきゃ!と思っていても、最低限必要なフレーズを知らなければ、次の段階に進むことができないのです。
もうこれは First thing first です。

フレーズを持っていないのに「不自然だからどうにかしなきゃ〜」と足踏みしていては、いつまでもアドリブに必要なフレーズが1セット揃いません。

また、次の曲にいつまで経っても進めず、練習が停滞してしまいます。

いまは、コードとフレーズを一致させるのが目的!と割り切って、フレーズ当てはめ練習を楽しんでください。

リンク練習で、芋づる式に次の曲に進んでゆくと、効率的にジャズスタンダード曲に触れることができます。この時点では、練習を素早く一周させることが大切です。

こだわりすぎて足踏みすることは、私の経験からはオススメできません。

逆に言うと、
1つのキーだけでも良いので、基本フレーズが1セット、使いこなせるようになれば、次の段階に進んで良いと思います。むしろ進んだ方が良いです!!!

フレーズ少しずつ覚えてきた!という方へのご提案

■基本的なフレーズが、コードと一致して覚えられるようになってきた!
(完璧である必要はなし!)
■このキーのフレーズは、一通り揃ってきた!
■曲中でフレーズを繰り出す感覚はもう掴んでいる!

という方は、不自然なソロを打開する「次の段階」に入っています!

ここから大切なのが、

実は、アドリブはもっと自由な枠組みで演奏している

ということです。

どういうことかというと、たとえば・・

2小節のツーファイブ進行だからといって「2小節の長さのツーファイブ・フレーズだけを演奏しなければならない」という決まりはありません。

ここに固執すると、結構フレーズの連結が難しく感じてしまうと思います。

つまり、フレーズを用法通りに演奏している間は、アドリブは少し窮屈なんです。

ここからは小節線に囚われすぎず、
手持ちのフレーズを自由に「切り取る・組み合わせる・演奏し始めるタイミングを変える」という実験を行う必要があります。
例えば・・
もし Cm7 | F7 の2小節間があったら、その2小節間を「Cm7 F7 のサウンド」ということだけを守って演奏します。その間、自由に手持ちのフレーズを組み合わせて演奏するんです。

これ難しそうですが、慣れると無意識で出来るようになってきます!
(でも基本のフレーズが身に付いていないと不可能なんです)

Cm7 F7 と言われたら、複数のアイディアを繰り出せる

こんなふうに、
フレーズがある程度、意識せずともポロポロ指からこぼれ落ちるくらいになってきたら、作為的ではない、自然なアドリブはもう目の前です!

フレーズの繋ぎ方が自然になるオススメの練習法・演奏法

でもいきなり2小節間の「狭いツーファイブ進行内」でこれをやろうとすると「作為的な、頭でっかちソロ」になってしまうので、

まずは Speak Low のコード進行で「優雅に!広いスペースを使って!感覚も大切に!」試していただけると分かりやすいかなと思います。

詳しい演奏法は ↓こちらの動画をご参照ください。

同じツーファイブ進行が続く時のアドリブ法 B-033
同じツーファイブ進行が続く時のアドリブ法 今回は「同じツーファイブ進行が続く時のアドリブ法」を解説します。↓このように、3回同じツーファイブ進行が出てきたからといって・・「2小節の長さのツーファイブ・フレー

この解説動画内では Speak Low を題材に演奏・解説しているのですが・・

「フレーズが自然に繋がらない問題」を私が最初に打破できたのは、Speak Low をコピーしまくって「え、みんなこうやってたんかい!」と気付いたときなんです。

解説動画の切り口が違うのでわかりにくいかもしれませんが、「これが言いたかったんだ!」というのが明確になったので、その切り口で、また解説動画を作り直したいと思います。

ジャズアドリブウェブセミナー 解説動画一覧
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